2026年7月、記録的猛暑が続く中、あなたの自販機のホット飲料は撤去しましたか?
実は多くのオペレーターが犯す「夏の大きなミス」の1つが、「暑いからホットは売れない」と決めつけて、すべてのホットスロットをコールドに切り替えてしまうことです。
データを見ると、驚くべきことが分かります──猛暑の夏でも、ホット飲料は一定数、確実に売れているのです。
データが示す夏のホット需要
売上比率の推移(2025年・某中規模オフィス自販機)
| 月 | コールド比率 | ホット比率 |
|---|---|---|
| 4月 | 65% | 35% |
| 5月 | 72% | 28% |
| 6月 | 80% | 20% |
| 7月 | 87% | 13% |
| 8月 | 89% | 11% |
| 9月 | 82% | 18% |
| 10月 | 70% | 30% |
夏の最盛期(8月)でも、ホット飲料が全販売本数の11%を占めています。オフィス設置の場合、月間販売本数が700本なら、そのうち77本はホット飲料です。これを撤去すれば、その分の売上が丸ごと消えます。
なぜ夏でもホットが売れるのか:5つの理由
理由① クーラー病・冷え対策
夏場のオフィスは冷房が効きすぎているケースが多い。外気温35℃の一方、室内は20〜22℃という環境では、体が冷えて「温かいもの」を求める人が出てきます。特に女性は「夏の冷え」を強く感じる傾向があり、夏でも温かい飲み物を選ぶ人が一定数存在します。
冷房が強い環境(オフィス・病院・ショッピングモール)に設置された自販機では、夏でもホット比率が20〜25%を維持するケースが珍しくありません。場所の性質を見ながらホット枠を残すことが重要です。
理由② 習慣購買の強さ
「朝は必ず缶コーヒーを飲む」という習慣を持つ人にとって、夏も冬も関係ありません。習慣購買は気温の影響をほとんど受けず、好みの商品が切れていた時にこそ「なぜホットがないの?」というクレームになります。
理由③ 体感温度と実際の欲求のズレ
「熱いのに温かいものが飲みたい」という心理は不合理に見えますが、実際には「心の落ち着き」「深呼吸したい気持ち」と結びついています。暑さや仕事のストレスで張り詰めた状態の人が、温かいお茶やコーヒーで一息つく行動は夏でも観察されます。
理由④ コーンポタージュ・スープ系の独特の需要
コールド飲料では満たせない「食事の補完」としてのスープ系ホット飲料は、夏でも一定の需要があります。特に食堂・休憩室付近の自販機では、「スープだけ飲んで食事に行く」という使われ方がされています。
理由⑤ 屋外作業者・工場勤務者の特殊需要
炎天下で作業する屋外労働者は、作業後に「体の芯から温まりたい」という需要が意外に存在します。一方的に汗をかき続けた体には、冷たいドリンクより温かいものの方が体に優しいという感覚があるためです。
オペレーターが取るべき夏のホット戦略
NG戦略:全ホット撤去
夏にすべてのホットスロットをコールドに変換すると、上記のような需要をすべて取り逃がします。さらに、コールドスロットが増えた分だけ冷却コストが増加し、電気代も上昇します。
推奨戦略:ホット枠を「最小限に残す」
| 立地 | 推奨ホット比率(夏) |
|---|---|
| 屋外・歩行者向け | 5〜10% |
| 一般オフィス | 15〜20% |
| 冷房強めのオフィス・病院 | 20〜25% |
| 工場・屋外作業者向け | 15〜20% |
| 学校・大学 | 5〜10% |
ホット1本の粗利はコールドとほぼ同じかやや高い(温める電力コストがかかるため)。しかしスロットを残すことで「ホット飲料を求める客を取り逃がさない」効果は確実にあります。
夏のホット商品ベスト5(オペレーター調査2025年)
- 温かいブラックコーヒー: 習慣購買の安定ニーズ
- コーンポタージュ: 食事補完・女性需要
- 温かいお茶: 体への優しさ訴求
- ほうじ茶・玄米茶: ノンカフェイン需要
- 温かいスポーツドリンク系: 屋外作業者・工場系立地
まとめ
「暑いからホットは撤去」──この判断は、見えないところで確実に売上を減らしています。
夏でもホット需要は消えない。ただ、立地に合わせた比率と商品選定が重要です。データと利用者の行動観察を組み合わせて、夏のホット枠を最適に設定することが、真のプロフェッショナルなオペレーションと言えるでしょう。
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