じはんきプレス
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テクノロジー2026.05.02| 技術・法務担当

自販機のJIS規格・安全認証完全解説|設置前に知るべき技術基準と法令対応

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自販機は「ただ設置すれば動く機械」ではありません。電気を使う機器として、食品を扱う機器として、冷媒を使う機器として、それぞれの側面から複数の法令・規格に準拠することが求められます。

自販機事業者がこれらの技術基準・認証を理解していないと、設置後に法令違反が発覚して撤去を余儀なくされたり、事故発生時に重大な法的責任を問われることになりかねません。

本記事では、自販機に関連する主要な技術基準と安全認証を体系的に整理します。


第1章:電気用品安全法(PSE)と自販機

PSEマークとは

電気用品安全法(以下「電安法」)は、電気用品の製造・輸入に際して安全基準の適合を義務付けた法律です。自販機は「特定電気用品以外の電気用品」に分類され、**PSEマーク(○囲みの「PSE」)**の表示が義務付けられています。

自販機事業者が確認すべき点

  • 購入・リースする自販機にPSEマークがついているか確認
  • 中古機を仕入れる際は、改造・修理により適合性が失われていないか確認
  • 自主的に電気回路に変更を加えた場合、再検査が必要になる可能性

📌 チェックポイント

PSEマークは「製造者・輸入者が安全性を確認した証明」です。マークのない機器は販売・貸与(リース)が禁止されています。中古自販機を購入する際は必ずPSEマークの有無と型式の確認を行ってください。


第2章:JIS規格——自販機に関連する主要規格

JIS(日本産業規格)は法的義務ではありませんが、業界標準として事実上遵守が求められる技術規格です。

主な関連JIS規格

JIS B 8721(自動販売機—安全一般要求事項) 自販機の一般的な安全要求事項を定める規格。電気的安全・機械的安全・火災・放射線等について規定。

JIS B 8722(自動販売機—特殊要求事項) 飲料自販機・食品自販機など特定タイプの自販機に対する追加要求事項を規定。

JIS B 9952(自動販売機の試験方法) 自販機の性能・安全性を評価するための試験方法を規定。メーカーが製品開発・品質管理に使用。

JISマーク認証(任意)

JISマーク認証は任意取得ですが、取得することで以下のメリットがあります:

  • 官公庁・大手企業への納入時の品質証明として機能
  • 消費者への安全性アピール
  • 製品の市場評価・ブランド価値の向上

第3章:フロン排出抑制法——冷却機能付き自販機の必須対応

対象機器

冷媒(フロン類)を使用する冷却機能付き自販機(飲料・冷凍食品等)は、「フロン排出抑制法」の対象となります。

管理者(設置者)の義務

自販機の「管理者」(設置者・オーナー)には以下の義務があります:

定期点検の実施:

  • 圧縮機出力50kW以上: 毎年専門業者による定期点検
  • 7.5kW以上50kW未満: 3年に1回の専門点検
  • 7.5kW未満: 3ヶ月に1回の簡易点検(自主実施可)

漏えい点検記録の作成・保存: 点検記録は3年間の保存義務があります。

廃棄時のフロン回収: 廃棄時には第一種フロン類充填回収業者によるフロン回収が必須。回収証明書の取得が必要です。

⚠️ フロン規制の罰則

フロン排出抑制法に違反した場合、管理者に対して50万円以下の罰金が科せられます。「知らなかった」は免責にならないため、設置台数が多い事業者ほど点検管理体制の整備が重要です。


第4章:食品衛生法——食品自販機の特別規制

食品販売自販機の許可

冷凍食品・弁当・惣菜など加工食品を販売する自販機には、食品衛生法に基づく食品営業許可が必要です。

許可の種類と申請先:

  • 食品(一般)自販機: 都道府県・保健所への申請
  • 食肉・乳製品等の特定食品: 追加の許可が必要な場合あり

施設基準:

  • 衛生的な構造(内壁・機器の清掃が容易な材質)
  • 温度管理機能(冷凍は-18℃以下、冷蔵は10℃以下)
  • 手洗い設備(商品補充・清掃作業の衛生確保)

2021年改正の影響

2021年の食品衛生法改正でHACCP(危害要因分析・重要管理点)が義務化されました。食品自販機オペレーターも規模に応じてHACCPの考え方に基づく衛生管理が求められます。


第5章:設置前チェックリスト

確認項目 チェック
PSEマーク(電気用品安全法)の確認
フロン充填量・冷媒の種類の把握
定期点検計画の策定
食品販売の場合の食品営業許可申請
設置場所の電気容量・ブレーカー確認
接地(アース)工事の実施
防水・防露対策(屋外設置の場合)
近隣への事前説明(騒音・景観)
ロケーション契約書の締結
損害賠償保険への加入

自販機は一度設置すると長期間稼働し続ける設備投資です。設置前の適切な法令確認と安全対策が、長期的なビジネスの安定につながります。

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