自販機ビジネスにおいて、ロケーション(設置場所)のオーナーや業者との契約書に「反社会的勢力排除条項」を盛り込むことは、今日の企業コンプライアンスにおいてほぼ必須の取り組みです。
しかし、中小の自販機オペレーターの中には「そんな条項、うちの契約書に入れていない」というケースも少なくありません。万一、ロケーションオーナーや取引先が暴力団等の反社会的勢力と関係していた場合、オペレーター自身も社会的・法的責任を問われるリスクがあります。
第1章 反社会的勢力排除条項とは何か
なぜ必要なのか
2007年以降、都道府県暴力団排除条例が全国で整備され、事業者は取引先が反社会的勢力でないことを確認する努力義務が生じました。金融機関・上場企業との取引においては、相手側から排除条項の提示を求められることが一般的になっています。
自販機オペレーターは:
- ロケーション契約(土地・建物オーナーとの設置契約)
- 仕入れ・業者契約(飲料メーカー・修理業者・ラッピング業者等)
いずれの契約にも反社排除条項を盛り込む必要があります。
「反社会的勢力」の範囲
- 暴力団・暴力団員・元暴力団員(辞めてから5年以内)
- 暴力団関係企業・準構成員
- 総会屋・社会運動等標榜ゴロ
- 特殊知能暴力集団
第2章 条項の文例
以下は実務でよく使われる反社排除条項のひな形です。
第○条(反社会的勢力の排除)
1. 甲および乙は、現在、次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、かつ将来にわたっても該当しないことを確約する。
① 暴力団
② 暴力団員
③ 暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者
④ 暴力団準構成員
⑤ 暴力団関係企業
⑥ 総会屋等、社会運動等標榜ゴロ又は特殊知能暴力集団等
⑦ その他前各号に準ずる者
2. 甲および乙は、自ら又は第三者を利用して次の各号に該当する行為を行わないことを確約する。
① 暴力的な要求行為
② 法的な責任を超えた不当な要求行為
③ 脅迫的な言動または暴力を用いる行為
④ 風評を流布し、または偽計・威力を用いて相手方の信用を毀損し、業務を妨害する行為
3. 甲または乙が前各項に違反した場合、相手方は何らの催告なしに本契約を解除することができ、
これにより生じた損害の賠償を請求することができる。
📌 チェックポイント
上記はひな形です。実際の契約書に使用する場合は、弁護士や行政書士に確認することを強くおすすめします。
第3章 取引先チェックの方法
簡易チェックの手順
- インターネット検索:会社名・代表者名で検索し、反社会的勢力との関係を示す情報がないか確認
- 帝国データバンク・東京商工リサーチ:企業信用調査を依頼(数千円〜)
- 業界団体のブラックリスト確認:業界によっては共有リストがある場合も
- 自社独自データベース:取引を行った企業の記録を蓄積し、継続的に更新
「知らなかった」は免責にならない
万一、取引先が反社勢力関係者だと後日判明した場合、「知らなかった」という理由だけでは完全に責任を免れません。事前の合理的な確認努力を行ったかどうかが問われます。
第4章 違反が発覚した場合の対処
既存契約の解除
条項に基づき、即時解除の手続きを行います。内容証明郵便で解除通知を送付し、機器の撤去スケジュールを速やかに調整します。
機器撤去の安全確保
相手が反社会的勢力と関係している場合、撤去作業への妨害リスクも考慮が必要です。必要に応じて弁護士の同行や警察への事前相談を行います。
⚠️ 絶対にしてはいけないこと
反社会的勢力との取引関係が発覚しても、「金銭を払って穏便に解決する」という対応は厳禁です。利益供与として刑事責任を問われる可能性があります。
まとめ
反社排除条項は「大企業だけの話」ではありません。自販機オペレーターも、ロケーション契約書や業者契約書を見直し、適切な条項を追加することでリスクを大幅に下げることができます。既存の契約書がある場合は、次回の契約更新時に条項を追加することを検討してください。
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