じはんきプレス
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コラム2026.05.01| 経営・マーケティング担当

自販機の商品単価戦略|低価格VS高単価、どちらが儲かる?

#価格戦略#商品構成#収益最大化#マーケティング#自販機経営
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「値段を上げたら売れなくなるのでは?」「安くした方が沢山売れる?」

自販機オーナーが悩む価格設定の問題。実は答えは「立地によって全く異なる」のです。本記事では、低単価戦略と高単価戦略を数字で比較し、自分の自販機に合った価格戦略の選び方を解説します。


自販機の価格設定の基本

価格設定の自由度

多くの自販機(特にオーナー型)では、商品の売価を自由に設定できます。

  • 飲料自販機(オーナー管理型): 商品ごとに売価を設定可能
  • メーカー管理型(コカ・コーラ等): メーカーが標準価格を設定するが、交渉で変更可能な場合も
  • 食品自販機: 完全に自由に設定可能

価格設定に影響する要素

  1. 競合他社の価格: 周辺のコンビニ・他の自販機の価格
  2. 立地の客層: 学生主体か、ビジネスパーソン主体か
  3. 商品の仕入れ価格: 売価は原価の2〜3倍が基本
  4. 立地の希少性: 競合がない独占エリアは価格設定の自由度が高い

低単価・高回転型 vs 高単価・低回転型の比較

シミュレーション:同じ自販機で比較

前提条件:

  • 自販機1台・飲料自販機
  • 1日の最大販売可能数:100本(立地の上限)

パターンA:低単価・高回転型

項目 数値
平均販売単価 120円
日販本数 90本(高回転)
日間売上 10,800円
月間売上(30日) 324,000円
原価率(40%) △129,600円
月間粗利 194,400円

パターンB:高単価・低回転型

項目 数値
平均販売単価 200円
日販本数 55本(回転が下がる)
日間売上 11,000円
月間売上(30日) 330,000円
原価率(40%) △132,000円
月間粗利 198,000円

📌 チェックポイント

売上額・粗利とも、高単価型の方がやや上回りました。ただし、これは「値上げしても20%しか販売数が落ちなかった」という前提です。40%以上落ちると低単価型が有利になります。


価格弾力性:値上げで客が減るのか?

価格弾力性とは

価格を変えたときに販売数がどれくらい変化するかを示す概念です。

価格弾力性 = 販売数の変化率(%)÷ 価格の変化率(%)

弾力性が低い(= 値上げしても減りにくい)立地:

  • 競合が少ない独占ロケーション(工場内・施設内)
  • 高所得者が多いエリア
  • 代替品が遠い場所(観光地・ハイキングコース)

弾力性が高い(= 値上げすると減りやすい)立地:

  • 近くにコンビニ・他の自販機がある
  • 学生・低所得層が多いエリア
  • 価格に敏感な購買層

立地別の推奨価格戦略

駅前・コンビニ隣接

戦略: 競合に合わせた価格設定(差別化は価格以外で)

コンビニと同等か、わずかに安い価格設定が基本です。代わりに「24時間利用可能」「行列なし」という利便性で差別化します。

推奨価格帯: 130〜160円(飲料)


工場・物流センター内

戦略: やや高単価でも許容される

外に出る手間がかかるため、価格弾力性が低い傾向があります。

推奨価格帯: 150〜200円(飲料)

💡 工場内の交渉

工場内設置の場合、会社の福利厚生として「社員向け割引価格」を設定する代わりに独占的な設置場所を確保するという交渉も有効です。


観光地・テーマパーク周辺

戦略: 高単価でも売れる最大のチャンスゾーン

競合が少なく、「喉が渇いた・暑い」という状況下での購入のため、価格弾力性が非常に低いです。

推奨価格帯: 200〜300円(飲料)


学校・大学周辺

戦略: 低単価で回転数を稼ぐ

学生は価格感度が高いため、コンビニより安い価格帯が有効です。

推奨価格帯: 100〜130円(飲料)


高単価商品の戦略的導入

「プレミアムゾーン」を作る

自販機内の一部スペースに高単価商品を配置し、購買選択の幅を広げます。

例:飲料自販機のゾーン分け

ゾーン 価格帯 商品例
スタンダード 130〜150円 コーラ・お茶・水
プレミアム 200〜250円 エナジードリンク・クラフトコーラ
高機能 250〜400円 スポーツドリンク大容量・高プロテイン飲料

効果: 全ての利用者が高単価商品を選ばなくても、10〜20%が選ぶだけで平均単価が大きく上昇します。

価格以外の付加価値で差別化する

値上げをする場合、その価格に見合う理由を作ることが重要です。

  • 希少性: 「ここでしか買えない」地域限定商品
  • 品質: 「コンビニより新鮮・こだわりの商品」
  • 利便性: 「24時間・雨でも濡れずに買える」

値上げを実施する場合の注意点

タイミングの選び方

  • 夏の繁忙期は避ける: 売れている時に値上げすると影響が読みにくい
  • 春の商品切り替え時: 新学年・新年度は「新しい価格帯」を受け入れやすい
  • ライバルが値上げした後: 競合の値上げに合わせると心理的抵抗が少ない

段階的な値上げ

一度に大幅に値上げするより、数ヶ月かけて少しずつ上げる方が客離れが少ない傾向があります。

: 130円 → 140円(1ヶ月様子見)→ 150円(さらに1ヶ月様子見)


価格設定のまとめ:自分の立地に合った戦略を

競合が多い・価格感度が高い立地
 → 低単価型(スタンダード価格帯)で回転数勝負

競合が少ない・価格感度が低い立地
 → 高単価型で粗利率を最大化

どちらの立地でも有効
 → プレミアムゾーンを一部作り、平均単価を上げる工夫

価格設定は「一度決めたら終わり」ではありません。半年〜1年に一度、周辺環境・仕入れコスト・売上データを見直して、常に最適な価格帯に更新していくことが重要です。

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