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ニュース2026.07.10| 編集部

サントリーBFが自販機で「推し活」カード販売へ。約34万台の全国網を活かす物販多角化戦略を読み解く

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「斜陽の自販機『推し活』で転生」――日本経済新聞は2026年6月、サントリーBFが全国の自販機網を使って推し活カードの販売に乗り出すと、こんな見出しで報じました(出典: 日本経済新聞)。

飲料を売るための巨大インフラだった自販機が、ファングッズを売る「物販プラットフォーム」へと役割を広げようとしています。本記事では、発表されたサービスの中身と、その背景にある戦略を整理します。


「TAG-LIVE!」とは。飲料メーカーが仕掛ける推し活サービス

「TAG-LIVE!」は、サントリーBFグループが展開する推し活向けサービスです。2023年に始まった「TAG-LIVE!LABEL」は、アニメやアーティストなどのコンテンツとコラボしたラベルデザインの飲料缶を自販機で販売するもので、ラベルが2層構造になっており、購入後に剥がしてステッカーとして手元に残せる点が特徴と報じられています(出典: ORICON NEWS)。

同サービスは好調に推移しており、2025年には売上が前年比3倍ペースで急成長したと報じられています(出典: ORICON NEWS)。

2026年6月17日発表の新展開。日本初のアクリルカード自販機「TAG-LIVE!CARD」

サントリービバレッジ&フード(サントリーBF)は2026年6月17日、「TAG-LIVE!」の新サービス群を発表しました(出典: サントリービバレッジ&フード ニュースリリース)。柱は次の3つです。

1. TAG-LIVE!CARD:その場でアクリルカードを印刷する日本初の自販機

利用者が選んだデジタルコンテンツを、無地のアクリルカードにその場で高精細印刷し、約1分で提供する自販機型サービスです。デジタルコンテンツをアクリルカードとしてオンデマンド生成・提供する自販機は日本初とされています。ライブやスポーツ観戦の直後など、ファンの熱量が最も高まった瞬間に「その場でカタチにできる」ことが最大の特徴です(出典: サントリービバレッジ&フード ニュースリリース)。

第1弾は「BanG Dream!(バンドリ!)」とのコラボと報じられており、プロジェクト発のバンド「MyGO!!!!!」のライブビジュアルを使った展開が伝えられています(出典: ORICON NEWS、リアルサウンド)。設置は2026年内に全国主要9都市・14台から始め、2027年には全国250台規模への拡大を目指す計画と報じられています(出典: ORICON NEWSほか)。

2. TAG-LIVE!LABELへの「推しボイス」機能追加

既存のTAG-LIVE!LABELには、自販機のボタンを押すと推しのボイスが流れる機能が追加されました(出典: サントリービバレッジ&フード ニュースリリース)。

3. TAG-LIVE!MART:自販機網を使った公式グッズ販売

全国に展開する自販機を活用して、コンテンツの公式グッズを販売するサービス「TAG-LIVE!MART」も開始されました(出典: サントリービバレッジ&フード ニュースリリース)。飲料の補充・運営で培った全国のオペレーション網を、そのままグッズ流通に転用する取り組みです。

📌 チェックポイント

「バズってからグッズを作っても間に合わない」というコンテンツビジネス特有の課題に対し、既設の自販機網とオンデマンド印刷を組み合わせることで、熱量のピークを逃さず商品化できる点が推し活自販機の強みです。

業界2位・約34万台の自販機網を物販プラットフォームへ

日本経済新聞によると、サントリーBFの自販機は約34万台で、稼働台数はコカ・コーラに次ぐ業界2位です(出典: 日本経済新聞)。自販機事業はグループのサントリービバレッジソリューションが担っています。

自販機ビジネスは「良い場所を確保できるか」が勝負であり、全国34万台という設置網自体が簡単には模倣できない参入障壁です。この既存インフラに飲料以外の商材を載せることで、追加の場所開拓なしに新市場へアクセスできる――これが物販多角化の核心と言えます。

サントリーの自販機ラインナップや設置の基本はサントリー自販機ラインナップガイド2026で、同社のアプリ施策は「ジハンピ」大型アップデートの解説記事で詳しく解説しています。

背景:縮小する飲料自販機市場と「1台あたり収益」の壁

国内の飲料自販機は減少傾向が続いており、2025年には200万台を割り込んだと報じられています(出典: SDRS株式会社プレスリリース)。物価高による割高感から消費者の自販機離れも指摘されるなか、各社は1台あたりの収益力向上を迫られています。

一般に推し活グッズは飲料より単価が高く、ファンの購買意欲も強いため、客単価の引き上げが期待できます。自販機1台の売上構造については自販機の平均売上ガイドも参考にしてください。

売上目標は2028年に100億円以上

食品新聞によると、サントリーは「TAG-LIVE!」サービス全体で2026年に前年比3倍規模への成長を見込み、2028年には100億円以上の売上を計画していると報じられています(出典: 食品新聞)。推し活需要のさらなる高まりを見込んだ強気の計画です。

業界への示唆:自販機は「飲料専用機」ではなくなる

今回の発表は、単なる一企業のキャンペーンではなく、「自販機網=飲料専売チャネル」という前提を書き換える動きとして注目されます。24時間無人で稼働し、全国の一等地を押さえた販売網は、オンデマンド印刷やグッズ流通と組み合わせることで新しい収益源になり得ます。

飲料市場の縮小に直面する他の大手オペレーターやメーカーが追随するのか、そして物販対応機の普及が設置オーナーの収益にどう波及するのか。じはんきプレスでは今後の展開を継続的に追いかけます。

出典・参考

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