「自販機で月5万円稼げる?」「10台持てば専業になれる?」――自販機ビジネスの収益について、ネット上には漠然とした情報が多く、具体的な数字が見えにくい状況が続いています。
本記事では、じはんきプレス編集部が実際に自販機を運営しているオーナー複数名から収集したリアルな月次収支データを集計し、台数別・立地別・機種別に整理してお届けします。
💡 データについて
本記事で紹介する数字は、編集部が2026年1〜5月にオーナーへのアンケート・インタビューで収集した実データを元に作成しています。個人差・季節差があることをご了承ください。
1. 【飲料自販機】1台あたりの月次収支(立地別)
データ①:オフィスビル(従業員200名規模)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月間売上 | 168,000円 |
| 商品仕入れ(原価率40%) | ▲67,200円 |
| ロケーション手数料(売上の15%) | ▲25,200円 |
| 電気代(月額) | ▲5,500円 |
| 補充交通費(週2回) | ▲8,000円 |
| 月次利益 | 61,100円 |
| 利益率 | 36% |
データ②:住宅街(200世帯のマンション前)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月間売上 | 52,000円 |
| 商品仕入れ(原価率42%) | ▲21,840円 |
| ロケーション手数料(売上の10%) | ▲5,200円 |
| 電気代 | ▲5,500円 |
| 補充交通費(週1回) | ▲4,000円 |
| 月次利益 | 15,460円 |
| 利益率 | 30% |
データ③:駅前広場(乗降客数:5,000人/日の中規模駅)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月間売上 | 285,000円 |
| 商品仕入れ(原価率38%) | ▲108,300円 |
| ロケーション手数料(売上の20%) | ▲57,000円 |
| 電気代 | ▲5,500円 |
| 補充交通費(週3回) | ▲10,000円 |
| 月次利益 | 104,200円 |
| 利益率 | 37% |
📌 チェックポイント
立地のクオリティが1台あたりの月収を「15,000円〜10万円超」と7倍以上の差を生み出します。立地調査への時間投資がいかに重要かわかるデータです。
2. 【冷凍食品自販機】1台あたりの月次収支
冷凍食品自販機は商品単価が高い分、販売数が少なくても収益を出せます。
データ④:商店街(地方都市・人通り中程度)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月間売上(平均単価750円×70個) | 52,500円 |
| 商品仕入れ(原価率50%) | ▲26,250円 |
| ロケーション手数料(売上の12%) | ▲6,300円 |
| 電気代(冷凍・消費電力大) | ▲9,000円 |
| 補充交通費 | ▲3,000円 |
| 月次利益 | 7,950円 |
| 利益率 | 15% |
データ⑤:工場敷地内(従業員100名)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月間売上(平均単価900円×120個) | 108,000円 |
| 商品仕入れ(原価率45%) | ▲48,600円 |
| ロケーション手数料(売上の10%) | ▲10,800円 |
| 電気代 | ▲9,000円 |
| 補充交通費 | ▲3,000円 |
| 月次利益 | 36,600円 |
| 利益率 | 34% |
3. 台数別の月間収支シミュレーション(飲料自販機・平均的立地)
平均的な立地での1台あたり月次利益を3.5万円と想定した場合のシミュレーション:
| 台数 | 売上合計 | 経費合計 | 月次利益 | 人件費(自分の時間) |
|---|---|---|---|---|
| 1台 | 100,000円 | 65,000円 | 35,000円 | 月8〜12時間 |
| 3台 | 300,000円 | 195,000円 | 105,000円 | 月20〜30時間 |
| 5台 | 500,000円 | 325,000円 | 175,000円 | 月30〜45時間 |
| 10台 | 1,000,000円 | 700,000円 | 300,000円 | 月50〜70時間 |
| 15台 | 1,500,000円 | 1,100,000円 | 400,000円※ | スタッフ1名が必要 |
| 20台 | 2,000,000円 | 1,450,000円 | 550,000円※ | スタッフ1〜2名 |
※15台超からはスタッフ人件費(月15〜30万円)を含む
📌 チェックポイント
「10台で月収30万円」は実現可能なラインですが、そこまで増やすには良質な立地確保が前提。10台全てが「平均以上」の立地でないと、この数字には届きません。
4. 年間収支で見る「本当の利益」
月次利益だけ見ていると見落としがちな「年間でかかるコスト」があります。
年間コストの内訳(1台あたり)
| コスト項目 | 年間金額 |
|---|---|
| 保険(動産総合) | 15,000〜30,000円 |
| 定期メンテナンス | 20,000〜50,000円 |
| 修理費(想定) | 10,000〜80,000円 |
| 機械の減価償却費 | 購入価格の10〜20%/年 |
| 消耗品(清掃用具等) | 5,000〜10,000円 |
| 年間追加コスト合計 | 50,000〜170,000円 |
これを月割りにすると月4,000〜14,000円が追加コストとして発生します。「月収入35,000円」の自販機の実質的な利益は月21,000〜31,000円程度になる計算です。
5. 「投資回収期間」の実態
自販機投資の回収期間を、取得方法別に見てみましょう。
| 取得方法 | 初期費用 | 月次利益(平均) | 投資回収期間 |
|---|---|---|---|
| 新品購入(200万円) | 2,000,000円 | 35,000円 | 約57ヶ月(約5年) |
| 中古購入(50万円) | 500,000円 | 30,000円 | 約17ヶ月(約1.5年) |
| リース(月5万円) | 0円 | 35,000円 – 50,000円 = -15,000円 | ※赤字になるケースあり |
| メーカー無償設置 | 0円 | 5,000〜15,000円 | 即時(ただし収益は小さい) |
⚠️ リースの注意点
リース契約は月々のリース料が収益を上回るリスクがあります。特に中小型機種ではリースよりも中古購入の方が経済合理性が高いケースが多いです。
6. 利益率を上げるための3つのアクション
データからわかる、利益率改善に最も効果的なポイントを3つまとめます。
アクション①:原価率を40%以下に抑える
仕入れ先の見直し・大量仕入れ・メーカーとの直取引など、原価率を1%下げるだけで月次利益が大きく改善します。
アクション②:電気代を削減する(省エネ機種への切り替え)
年式の古い機械は月電気代が8,000〜15,000円かかることも。省エネ最新機種(JIS S 1015対応)では月4,000〜6,000円に削減できます。月2,000〜9,000円の差は年間で最大10万円超の改善効果。
アクション③:ロケーション手数料の交渉
売上の20%を手数料として支払っている場合、15%に下げるだけで月次利益が大幅改善します。「機械の清掃を毎回自分でする」「売上レポートを月次で提供する」などの付加価値提供を交換条件に交渉するのが有効です。
まとめ
自販機ビジネスの月収は「台数×立地クオリティ×運営効率」の掛け算です。「5台で月20〜40万円」「10台で月35〜60万円」が現実的な目標ラインといえます。
この記事のデータを参考に、自分のビジネスプランを現実的な数字で検証してみてください。
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